公共交通機関を使って山に登ると、以下のようなメリットがあるので、おススメです。

環境にやさしい

公共交通機関を使うと、自然にかける負担を減らすことができます。

1人の人間が、1km移動する際に排出される二酸化炭素(CO2)の量は、以下のようになるようです。

移動手段 CO2排出量(1km)
電車 22g
バス 60g
自家用車 168g

※国土交通省:運輸部門における二酸化炭素排出量

マイカーを使った登山は、電車・バスを使った場合に比べて、多くのCO2が排出されるのが分かります。
試しに、横浜から大菩薩嶺に向かった場合で、公共交通機関とマイカーを比較してみましょう。

公共交通機関で、横浜駅〜塩山駅まで電車、塩山駅〜大菩薩登山口までをバスで行った場合と、マイカーで大菩薩登山口まで行った場合のCO2排出量を、上記の値で計算すると、以下のようになります。

行程 移動手段 乗車距離 CO2排出量 合計CO2
横浜駅〜塩山駅 電車 113.9km 2,505.8g 約3kg
塩山駅〜大菩薩登山口 バス 9.1km 546.0g
自宅〜大菩薩登山口 自家用車 121.5km 20,412.0g 約20kg

公共交通機関で大菩薩嶺に登った場合のCO2排出量は、往復で約6kgとなります。一方のマイカー登山では、往復で約40kgとなり、公共交通機関を使った場合の6.6倍以上もCO2が排出されることになります。

40kgのCO2は、2万リットル以上にもなり、それを吸収するのに、樹齢50年の杉の木(高さ20〜30m)で、約3年かかるそうです(「地球温暖化防止のための緑の吸収源対策」環境省・林野庁)。1人の人間が山に遊びに行ったツケを、杉の木が3年かかって払わされるのを想像したら、なんだか気の毒になってきます。

なお、4人で1台の車に乗り込んだとして、仮に1人で乗った時と同じCO2の排出量だったとしても、まだまだ公共交通機関の方に分があります。CO2が少ないということは、ガソリンなどの限りある資源の節約にもつながります。

ただ、自然に負担をかけないことばかり考えていると、家で電気もつけず、布団に包まって寝ているのが一番ということになってしまいますから、あまり意識しすぎるのもどうかと思います。

公共交通機関で登りづらい山にはマイカーで行き、それ以外は電車、バスを使うなどすると良いのではないでしょうか。

ピストン山行をせずに縦走できる

バスを使った登山の大きなメリットは、出発地点に戻ってくる必要がないことでしょう。マイカーの場合、自分の車まで戻ってこなければならないため、ピストン山行になりがちですが、バスを使えば、そんなことはありません。

電車・バスを使って山に登ると、山を越えて向こう側に抜ける楽しみがあります。ピストン山行と縦走では、1回の山行の充実度が違うと思います。

バスルートの路線図(青線)を見ると、全国を網の目のようにバスが走っているのが分かると思います。これだけバスが運行しているのであれば、山小屋やテントも駆使することで、ほとんどの山に登ることができそうです。

私の場合、公共交通機関だけを使って山に登るようにしています。私の登山マップを見ていただけると、電車とバスだけでも、案外いろんな山に登れることが分かって頂けると思います。

下山後に運転せずに済む

山行後の疲れた状態で、長時間運転して帰宅するのは、とても大変だと思います。

その点、バス、電車を使えば、すべてプロの運転手さんにおまかせです。都心に近づくまでは、大抵、座ることができますから、バスや電車に揺られながら寝るのも良いですし、車窓を眺めて、次に登る山を探しながら帰ることもできます。

また、バスや電車は車高が高く、眺めが良いのも、おすすめな点です。

田舎の道をのんびり歩ける

これは、私だけの趣向かもしれませんが、田舎の道を歩くことができるのもメリットだと思います。マイカーで登れるだけ登ってしまうと、道路歩きがとても短くなってしまいます。登山道だけ歩いて帰ってきてしまうのは、少しもったいない気がします。

しかし、バスを使えば、ある程度は自分の足で歩くことになり、自然と田舎の道を歩くことができます。田舎の道は、都会とは違い、自然に溢れていて、静かでゆったりとした時間が流れています。山の中の道は、川沿いを通っていることが多く、川の音を聞いたり、澄んだ水を眺めながら歩くことができますし、田畑や果樹園の間の道を歩くのも楽しいものです。

時間にゆとりを持った計画を立てると、大抵はバスの時刻よりも早く下山することになります。バスの本数が少ない場合、次のバスまで1時間以上待つようなこともあるでしょう。そのような時は、バス停で1時間も待つのは辛いですから、ゆっくり駅に向かって歩き出します。余裕があれば、駅まで歩いてもいいですし、途中のバス停でバスを拾って帰ることもできます。

事前にバスルートで、途中のバス停の位置を確認し、地図に書き込んでおくことで、下山後に、時計を見ながら、このバス停まで散歩してからバスに乗ろう、などと計画できます。


 サイト紹介

以下に、公共交通機関を使って山に登っている方のサイトを紹介します。

cellistさんの山行記録がまとめられたサイトです。
電車とバスでは、そんなに山に登れないのでは、とお思いの方は、是非ご覧ください。工夫次第で、いろんな山に登れることが分かります。

交通手段や山行ルートなど、細かく載っていて、山行記も充実しているので、とても参考になります。「エコ登山」に対する思い入れが感じられます。